料理人 和泉須美恵 創業明治39年 老舗の味 旭亭料理長

老舗の味 旭亭

【味昆布煮汁】
旭亭が使う昆布は全て「天然羅臼昆布」です。
rausu

天然羅臼昆布は、世界遺産であるオホーツク海の流氷と、そこに流れ着くラウス岳の河の水で育つ最高級の昆布です。
「ミネラル」「カルシウム」「鉄分」や旨味成分「グルタミン酸」が豊富で、また野性味に溢れアクが強く、
芯は硬く味が濃厚な為、余分なアクのみを抜き調理するのが難しいとされています。
天然羅臼昆布を、昆布と鰹の一番出しと酒、味醂、醤油など、日本古来の調味料で炊き上げられた旨煮「味昆布」。
その味昆布を炊き上げた際に生れる「昆布の煮汁」は、日本料理独特のコクと旨みが熟成凝縮された万能ダレとなります。
旭亭では「昆布の煮汁」を独自の調味料として全ての品に使うことで、どこにもない味を作り上げます。
長年受け継ぎ足してきた技の結集「昆布の煮汁」は、旭亭の味の原点です。

味昆布煮汁

【特製出し汁】
旭亭の「特製だし」は、素材に天然羅臼昆布、清酒、国産「本枯血合抜き鰹」一本物を使います。
katuo2

本枯とは、鰹内の水分が20%以下という乾き具合を示し、まろやかな風味が特徴です。
血合いを抜くことで透明でくせのない澄んだダシがとれます。また、豊かな鰹の香りを損ねぬよう、
毎度、出しをとる直前に鰹を削り、天然水、天然羅臼昆布で丁寧に一番だしをとります。
雑味やアクの無い透明度の高い澄んだだしは、鮮やかな鰹の香りと天然羅臼昆布の深いコクを
上品に包み込んだ味、料亭の流れを汲む旭亭ならでは本筋の味です

ichibandashi

創業明治39年

一九〇六年、初代和泉鶴吉は奈良 吉野里の渓流に囲まれた澄んだ自然を生かした創作料理、
東吉野の清流の川で泳ぐ鮎を専門にした活魚料理、精進料理、
更に、和惣菜の手見上げ物を主とした料亭旅館として「旭亭」を創業いたしました。

近隣には橿原神宮、丹生川上神社など、天皇家縁の神社があり
一九四〇年、天皇家初代神武天皇即位二千六百年の式典が橿原神宮にて開かれた折、
二代目 和泉誠一はその腕を買われ、丹生川上神社の禁漁区である天皇家の川より鮎をとり、
主賓とした式典の料理全般を献上致します。
その後も各皇族の方々がご参拝の折には、当旅館にご宿泊なされておりました。
昭和後期、吉野は林業の衰退と共に人足が少なくなり、吉野の旅館は徐々に建物の維持のみとなります。

そういった時代背景に呼応し、三代目 和泉候軌は
大阪船場の料亭 森吉の代表と二代目の推薦で
料亭和食料理専門の旭亭出店を大阪の地で構えます。
その味は大阪でも評判を呼び、候軌は天満宮さんでのお茶会、四天王寺さんの精進料理、
茶懐石料理などの依頼を通じて更に料理に精進し技を磨いて参ります。
平成十八年度、創業百年吉日、
五代目 和泉須美恵は父である義範の元その歴史と味と技を、
創業より手土産としてご好評頂いておりました「味昆布」を主にしたお持たせ料理、
味昆布煮汁を使った和惣菜専門に集約し、大阪堀江にて暖簾を引継ぎました。

また近年、旭亭料理長としての技術や知恵を背景にした
オリジナルブランド「いずみすみえ」では、過去と未来を繋ぐより良い食文化の向上を信条に、
現代のライフスタイルに沿う新たな商品提案、和の食材に留まらない創作料理、
レシピ提案、料理教室などを通じ活動しています。